本記事では北海道電力の値上げの動向について詳しく解説します。
北海道電力は全ての電気料金について高圧・特高は2023年4月から、低圧は2023年6月から値上げを実施予定です。
電気料金の見直しに関するお願いについて – 北海道電力
電気料金の見直しに関するお願いについてです。
家庭向け低圧メニューと法人向け高圧・特高メニューとで分けて説明するよ。
家庭向け電気料金の仕組みについて分かりやすく解説
家庭向けの低圧電気料金について、仕組みからお勧めのメニューまで詳しく解説します。
法人向け高圧・特高電気料金の仕組みについて分かりやすく解説
法人向けの高圧・特高電気料金について、地域ごとの状況や各電力会社の動向に触れながら分かりやすく解説します。
目次
家庭向け低圧メニュー
北海道電力の家庭向け低圧メニューは以下の2つに大別できます。
- 従量電灯B、C(特定小売料金メニュー)
-
電力自由化以前から北海道電力が提供しているメニュー。2016年以降に引っ越しもプラン変更もしていない家庭はこれらのメニューであると思われる(オール電化は除く)。
- その他(自由料金メニュー、オール電化メニュー)
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「エネとく~プラン」と名付けられている、電力自由化以降に北海道電力が作ったメニュー。上記従量電灯に比べてポイントがついたり単純に若干安かったりしている。オール電化は全部こっち。
特定小売料金メニュー
北海道電力は特定小売料金メニューを2023年6月から値上げすると発表しています。
個人のお客さま – 北海道電力
個人のお客さまの電気料金の見直しについてです。
基本料金については10Aあたり33円の値上げとなります。 ※託送料金部分の値上げ 従量料金の値上げ幅は以下の通りです。
~2023/5 | 2023/6~ | |
~120kWh | 23.97円/kWh | 38.82円/kWh |
121kWh~280kWh | 30.26円/kWh | 46.61円/kWh |
281kWh~ | 33.98円/kWh | 50.8円/kWh |
上記は燃料費等調整額(2023年1月分:3.66円/kWh)の影響を除いた数値となっており、大体15~17円/kWhの値上げとなります。 一方、「燃料費等調整額」が改訂され、現状よりも大幅に安くなるため、現行料金からの相対的な値上げ額は大体11~13円/kWhとなります。 月に300kWh使用する家庭であれば3,000円強の値上げであり、託送料金分の値上げと合わせて平均34.87%の負担増を想定しているようです。 今回値上げの大きな要因となったのは、この特定小売料金メニューにおける燃料費等調整額の上限の存在です。 特定小売料金メニューには燃料費等調整額の上限が存在しており、3.66円/kWhで頭打ちとなります。 一方、下記で述べる自由料金メニューは燃料費等調整額の上限が無く、現状6円強/kWhの差があります。
燃料費等調整制度について分かりやすく解説
電気料金の一部である「燃料費調整制度」について、歴史から計算方法まで詳しく解説します。
自由料金メニュー
北海道電力は自由料金メニューについて2022年12月分から値上げを実施しており、2023年6月からも値上げを実施予定です。
2022年12月からの値上げ(自由料金メニュー)
電気料金には「燃料費等調整額」というものが存在しており、2022年11月分までは北海道電力のメニューには全て燃料費等調整額の上限が存在していました。 しかし2022年12月分から、自由料金メニューにおいてその上限を撤廃しています。
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よって上記「特定小売料金メニュー」にのみ上限が存在する形となり、2023年1月の水準における差は6円/kWh程度となっています。 300kWh程度使用する家庭であれば、実質的に2,000円ほどの値上げです。 以下は自由料金メニューにおける燃料費等調整額の推移です。
2023年6月からの値上げ(自由料金メニュー)
北海道電力は2023年6月から自由料金メニューについて、特定小売料金メニューと合わせて値上げを実施予定です。
基本料金は基本10Aあたり33円の値上げとなります。 ※託送料金部分の値上げ
従量料金の値上げ幅がメニュー毎に異なるため、詳しくは以下のページをご参照ください。
https://wwwc.hepco.co.jp/hepcowwwsite/price_revise/pdf/revise_unitprice_free.pdf
上記の料金表には現行料金にのみ2023年2月の燃料費等調整額10.26円/kWhが含まれており、実際の値上げ幅はプランによって大体14~18円/kWh程度となります。
ただし燃料費等調整額が改訂され、大幅に安くなるため、現行料金からの相対的な値上げ幅は大体4~8円/kWh程度となります。現状と比べて11~14%ほどの値上げを見込んでいるようです。
特定小売料金メニューが34.87%の値上げであったことを考えると自由料金メニューの値上げ幅は小さいですが、燃料費等調整額の影響で現在は自由料金メニューが非常に割高となっているため、妥当な範囲でしょう。
燃料費等調整額について
既に述べている通り、上記料金メニューの見直しにあわせ、燃料費等調整額の見直しも実施されます。
内容としては、「基準燃料価格」が昨今の高い水準に見直されることにより、現行よりも大幅に安くなります。
燃料費等調整制度について分かりやすく解説
電気料金の一部である「燃料費調整制度」について、歴史から計算方法まで詳しく解説します。
燃料費等調整額の割引(2023年2月~10月分)
国の「電気・ガス価格激変緩和対策事業」により、低圧メニューにおいて2023年2月~10月分の間、燃料費等調整額の割引が実施されます。申込等は不要であり、自動で割引される仕組みです。
詳しくは以下の記事をご参照ください。
2023年1月使用分からの電気料金割引について分かりやすく解説
2023年1月使用分から日本全体で適用される、電気料金の割引制度について分かりやすく解説します。
2023年6月以降はどちらの料金メニューがおすすめ?
上記値上げを踏まえて、特定小売料金メニューか自由料金メニューどちらが良いかですが…
おそらく自由料金メニューです。
ただし単純比較が出来ないような料金形態になってしまうことが予想されますので、気になる方は直接北海道電力に問い合わせてみてください。
法人向け高圧・特高メニュー
北海道電力は2023年4月からの高圧・特高メニュー料金の値上げを発表しています。
また値上げに伴い、2023年4月からの供給開始を前提として、2022年12月22日から契約受付を再開しました。
値上げ幅は以下の通りです。
基本料金 | 従量料金 | |
高圧 | +528円/kW | +5.12円/kWh |
特高 | +528円/kW | +4.97円/kWh |
標準的なケースだと現状と比べて18~19%の値上げになるようです。
高圧・特高は使用量が多いから、影響額が非常に大きいね。
燃料費等調整額の改訂
上記値上げに併せて燃料費等調整額が改訂され、「市場価格連動項」が追加されることになりました。 これは電力卸売市場の価格に連動する料金であり、電力市場価格が高止まりしている現状は実質的な値上げとなります。 ただし基準燃料価格が昨今の高い水準に見直されたため、大元の燃料費調整部分は非常に安くなり、最終的に全体の燃料費等調整額は現状と比べてそこまで変わらないか逆に若干安くなるのではないかと思われます。 あくまで予想ですのでご参考程度に。 以下は北海道電力の燃料費等調整額の推移です。
更に影響額は小さいですが、レベニューキャップ制度導入に伴い託送料金部分の値上げも予定されています。
燃料費等調整額の割引(2023年2月~10月分)
国の「電気・ガス価格激変緩和対策事業」により、高圧メニューにおいて2023年2月~10月分の間、燃料費等調整額の割引が実施されます。申込等は不要であり、自動で割引される仕組みですが、特高は対象外となっています。 詳しくは以下の記事をご参照ください。
2023年1月使用分からの電気料金割引について分かりやすく解説
2023年1月使用分から日本全体で適用される、電気料金の割引制度について分かりやすく解説します。
今後について
北海道電力は原発がまだ再稼働していないこともあり、昨今の燃料費高騰の影響をモロに食らっていると思われます。 2022年度は620億円の赤字見通しとのことです。 今回の値上げである程度は経営状況も改善すると思われますが、将来的な値下げの時期は分かりません。
まとめ
- 北海道電力は自由料金メニューを2022年12月から値上げしている。更に全ての低圧メニューを2023年6月から値上げ予定。
- 高圧・特高メニューは2023年4月から値上げ予定。
状況が変わったら記事を更新するよ。