本記事では2023年1月使用分から開始される電気料金の割引、「電気・ガス価格激変緩和対策事業」について解説します。 なお、当サイトは電力に関する情報のみを扱っておりますのでガスには触れません。ご了承ください。
電気・ガス料金支援|経済産業省 資源エネルギー庁
国民生活・事業活動を守るため、電気・ガス料金の激変緩和措置を行っています。
目次
電気料金割引の概要
2023年2月分(低圧であれば1月使用分)~2023年10月分までの電気料金について、対象の電力会社であれば自動で割引されます。
「対象の電力会社」と書いたのは、本制度の適用には電力会社から政府への申し込みが必要なためです。
電力会社としても損をする制度ではないため基本的には申し込みが行われているものと思いますが、新電力と契約している場合は、念のため新電力のホームページ等を確認した方が良いでしょう。
なお旧一般電気事業者は全て申し込みを実施しているようですので、心配無用です。
割引額は以下の通りです。
2023年2~9月分 | 2023年10月分 | |
低圧 | 7円/kWh | 3.5円/kWh |
高圧 | 3.5円/kWh | 1.8円/kWh |
低圧は概ね電気料金の値上げ分、高圧は再エネ賦課金分を割引とするように設計されているようです。
ひと月に300kWh使用する家庭であれば2,100円の割引となるね。
オール電化のように使用量が多い家庭であれば恩恵は更に大きい!
注意点について
まず、本制度は低圧及び高圧の需要家を対象にしているため、特別高圧(20kV以上)は対象になっていません。
他は上記に述べた通り、新電力と契約している場合は念のため本制度に申し込んでいるかどうかを確認した方が良いでしょう。
期間について
期間は2023年2月分~2023年10月分までとされており、その後は未定となっていますが、延長される可能性は十分あると考えられます。 というのも「ガソリン補助金」が当初2022年9月末までの予定だったところ、その後2022年12月末までとなり、現在は2023年9月末までとなっているためです。 電気・ガス料金は国民の生活にとって基盤となるものですから、「ガソリン補助金」と同様な考え方がされるかもしれません。 まあ、来年までにこの混沌とした社会情勢が安定すれば予定通り終わると思われますが。
「ガソリン補助金」に見られた事業者による不正について
「ガソリン補助金」においては、残念ながら政府からの補助金が全てガソリン代割引の原資として充てられたわけではありません。 以下記事によると、補助金の2%程度は「事業者の経営改善」に使われていた可能性があるとのことです。
Yahoo!ニュース
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「ガソリン補助金」は予め事業者に補助金を支給しており、そこからの割引額については目安が示されているものの、具体的な割引額について政府が監視をしていません。
そのため近隣のガソリンスタンドに合わせて価格を設定する、という従来のやり方のままでガソリン価格が設定され、補助金分が100%消費者に行き渡らなかったのです。
「電気・ガス価格激変緩和対策事業」は予め事業者に補助金を支給する点は共通していますが、
①割引額が政府から一律で指定されている
②実際の割引に使われた分との差額は精算となる
以上2点が「ガソリン補助金」よりも不正が起こりづらい構造になっていると言えます。
まとめ
- 電気料金割引の期間は2023年2月分~2023年10月分。その後は未定。
- 割引額は低圧7円/kWh(2023年10月分は3.5円/kWh)、高圧3.5円/kWh(2023年10月分は1.8円/kWh)。
- 特別高圧は対象になっていない。
- 「ガソリン補助金」に見られたような事業者の不正行為は起こりづらい構造となっている。
最近増税とか暗い話題ばかりだから、こういう制度が導入されるのは家計にとって大助かりだね。