本記事では中部電力の値上げの動向について詳しく解説します。
家庭向け低圧メニューと法人向け高圧・特高メニューとで分けて説明するよ。
家庭向け電気料金の仕組みについて分かりやすく解説
家庭向けの低圧電気料金について、仕組みからお勧めのメニューまで詳しく解説します。
法人向け高圧・特高電気料金の仕組みについて分かりやすく解説
法人向けの高圧・特高電気料金について、地域ごとの状況や各電力会社の動向に触れながら分かりやすく解説します。
目次
家庭向け低圧メニュー
中部電力の家庭向け低圧メニューは以下の2つに大別できます。
- 従量電灯B、C(特定小売料金メニュー)
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電力自由化以前から中部電力が提供しているメニュー。2016年以降に引っ越しもプラン変更もしていない家庭はこれらのメニューであると思われる(オール電化は除く)。
- その他(自由料金メニュー、オール電化メニュー)
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「ポイント~」「おとく~」「とくとく~」等のメニュー。上記従量電灯に比べて単純に安かったり、安い時間帯がある等の特典がある。オール電化は全部こっち。
特定小売料金メニュー
中部電力は特定小売料金メニューの値上げを発表していません。
ただし特定小売料金メニューには「燃料費等調整額」の上限が存在しており、「5.36円/kWh」で頭打ちとなります。
対して自由料金メニューでは2023年1月に「12.30円/kWh」となっており、1kWhあたり7円近くの差となってしまっています。
この分は現在中部電力の赤字部分となっており、国の審議会でも非常に問題視されています。
他の大手電力会社だとこの特定小売料金メニューを値上げしているところも少なくない。
今後中部電力でも値上げされる可能性はあるね。
燃料費等調整制度について分かりやすく解説
電気料金の一部である「燃料費調整制度」について、歴史から計算方法まで詳しく解説します。
自由料金メニュー
中部電力は自由料金メニューについて2022年12月分から値上げを実施しています。 電気料金には「燃料費等調整額」というものが存在しており、2022年11月分まで中部電力の低圧メニューには全て燃料費等調整額の上限が存在していました。 しかし2022年12月分から、自由料金メニューにおいてその上限を撤廃することが決定されました。 よって上記「特定小売料金メニュー」にのみ上限が存在する形となり、2023年1月の水準における差は7円/kWh程度となります。 300kWh程度使用する家庭であれば、実質的に2,000~3,000円ほどの値上げです。
特別高圧・高圧の標準メニューの見直しの検討開始および低圧の一部料金メニューにおける燃料費調整制度の変…
中部電力ミライズのオフィシャルウェブサイトです。中部電力ミライズからのプレスリリースです。
燃料費等調整額はここ1年世界的な燃料費高騰の影響を受けて上がり続けており、今後も上がっていくことが予想されます。 以下は中部電力の自由料金メニューにおける燃料費等調整額の推移です。
燃料費等調整額の割引(2023年2月~10月分)
国の「電気・ガス価格激変緩和対策事業」により、低圧メニューにおいて2023年2月~10月分の間、燃料費等調整額の割引が実施されます。申込等は不要であり、自動で割引される仕組みです。
詳しくは以下の記事をご参照ください。
2023年1月使用分からの電気料金割引について分かりやすく解説
2023年1月使用分から日本全体で適用される、電気料金の割引制度について分かりやすく解説します。
2023年4月以降はどちらの料金メニューがおすすめ?
特定小売料金メニューが値上げされない限りは特定小売料金メニューがおすすめです(オール電化を除く)。
自由料金メニューには従量電灯に比べて様々な特典があるとはいえ、電気を多く使うご家庭ほど7円の差は重くのしかかってきます。
オール電化でない限りは、状況が落ち着くまで従量電灯B、Cにプランを変更するのが得策でしょう。
この辺りは状況がすぐ変わるから注意しよう。
法人向け高圧・特高メニュー
中部電力は法人向けの高圧・特高メニューを2023年4月から値上げすることを公表しています。
特別高圧・高圧の標準メニューの見直しについて – ニュース|中部電力
中部電力からのプレスリリースです。
基本料金は据え置きですが、従量料金が値上げされます。値上げ幅は以下の通りです。
従量料金の値上げ幅 | |
高圧 | +3.28円/kWh |
特高 | +3.23円/kWh |
燃料費等調整額の改訂
更に「燃料費等調整額」が改訂され、「市場価格連動項」が追加されることになりました。
ただし「基準燃料価格」は現状のままであり、燃料費等調整額のベース部分は据え置きのため、市場価格が高止まりしている現状は更なる値上げとなります。
上記の従量料金値上げと合わせて、標準的なケースで7.8%~9.8%程度の値上げになるようです。
燃料費等調整制度について分かりやすく解説
電気料金の一部である「燃料費調整制度」について、歴史から計算方法まで詳しく解説します。
他の値上げを公表している電力会社と比べると値上げ幅は小さいですが、高圧・特高は使用量が大きいため影響額は非常に大きくなります。
なお、燃料費等調整額の推移は以下の通りです。
更に影響額は小さいですが、2023年度からのレベニューキャップ制度導入に合わせた値上げも行われる見込みです。
燃料費等調整額の割引(2023年2月~10月分)
国の「電気・ガス価格激変緩和対策事業」により、高圧メニューにおいて2023年2月~10月分の間、燃料費等調整額の割引が実施されます。申込等は不要であり、自動で割引される仕組みですが、特高は対象外となっています。 詳しくは以下の記事をご参照ください。
2023年1月使用分からの電気料金割引について分かりやすく解説
2023年1月使用分から日本全体で適用される、電気料金の割引制度について分かりやすく解説します。
今後について
中部電力の第2四半期決算は経常損益230億円の赤字であることが示されました。 燃料費等調整額の期ずれの影響があるといえ厳しい状況です。 更に関西電力とのカルテルへの課徴金による影響もあります。
公正取引委員会からの意見聴取通知書の受領および特別損失の計上について|プレスリリース|中部電力ミライ…
中部電力ミライズのオフィシャルウェブサイトです。中部電力ミライズからのプレスリリースです。
今回の値上げである程度は経営状況の改善に繋がると思われますが、今後も注意が必要です。
まとめ
- 中部電力は低圧自由料金メニューを2022年12月から値上げしている。
- 高圧・特高メニューは2023年4月から値上げ予定。
状況が変わったら記事を更新するよ。